買い出し偏愛

 この地上で、私は買い出しほど、好きな仕事はない。あっちの野菜屋から、こっちの魚屋と、日に三、四度は買い出してまわっている。

  

ごぞんじ檀一雄氏の「壇流クッキング」の一説である。
完全に異議なし。心の底から深く同意。
買い出し、大好き!

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ああ、この感じ。垂涎もの。

買い出しのワクワク感はいったい、なんなんだろう。

BBQとか鍋のときも、結局みんなで買い出しするときのワクワク感がすべてを決めるといっても過言ではないような気がしているのですが、私だけでしょうか。

旅行のときも、国内外関わらず、知らない土地のスーパーに行くのって、もうはちゃめちゃに楽しくないですか?私は楽しくって楽しくってもう大変です。

ベルリンに来てもそれは変わらず、買い出し狂と化しています。家から徒歩5分圏内に4つのスーパーがあって(最高!)、それに加えてパン屋、肉屋、八百屋やらがあるので買うものによって行くところを決めているわけですが、もう楽しすぎて困った。

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ビールの棚。ああ、もう!!

商品の陳列方法や商品補充速度の違いを日々把握していくこととか、失敗しながら自分の口に合うものとそうでないものをゆっくり見分けていく感じとか、、もう、、たまらん。

野菜を見てるだけでも楽しい、、、
見たことのない謎野菜に勝手に名前をつけたりとかしてます。

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「バルス」と名付けた根セロリ”Knollensellerie”

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おなじみの根菜と一緒にローストするだけで美味しい


一歳半レベルのドイツ語能力なので、ぱっと見で文字から得られる情報がかなり少なく、ロンドンで生活していたときとはまたわけが違う。かなり純度の高い探検感が味わえます。

ベルリンでの買い出しで記念すべき最初の失敗は、クミンシードとキャラウェイシードを間違えたこと。なーんか香りがキツいなぁ、日本で売ってるクミンと種類が違うのかなーとか思っていたけど、そもそも違う種類のスパイスだったと2回使った後に気づいた。

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クミンはそのままCuminだったんだけど、それが目に入らなかった私は「Kümmel」がクミンっぽいと思って手に取ってしまったのだった。失敗の香りはツンと強い…。(「孤独のグルメ」ドラマ版で井之頭五郎が肉を焼くことに夢中になってキャベツを焦がしてしまった時のセリフを意識)

そんなこんなでいろんなスーパーを巡りながらこれでもかというほど買い出しを楽しんでいるわけですが、半年もすればほとんど慣れてしまうだろうから、今が一番楽しいタイミングかもしれない。

我ながら、喜びの沸点が低くて良かったなぁー!と思う日々。